こんな症状ありませんか?
「のどが痛い」「咳が長引く」「声が枯れる」といったのどのお悩みは、のどそのものに炎症などが起こっている場合もあれば、他の疾患が原因のこともあります。まずはのどの専門医である耳鼻咽喉科を受診して、原因をきちんと調べましょう。
そして最近話題になっている「閉塞型睡眠時無呼吸症候群」も耳鼻咽喉科の領域です。気になる方はご相談ください。
のどの痛み・腫れ
のどの痛みや腫れのほとんどが「咽頭炎いわゆるのどの風邪」によるものです。ほとんどウイルスが原因ですが、細菌が感染したりすると扁桃炎に発展することがあります。
扁桃は外から侵入しようとする細菌やウイルスの影響を受けやすいため、炎症が起こりやすいのです。扁桃炎がさらに悪化して扁桃周囲炎、扁桃周囲膿瘍などに進展することもあり下記の症状に注意してください。
こんな症状があれば要注意
- 扁桃が赤く腫れる
- 喉が痛くて食事がしづらい
- 飲食時に喉に違和感がある
- 発熱がある
主な病気と治療法
扁桃炎
細菌やウイルスによって扁桃に炎症が起こる病気です。赤みや腫れ、痛みなどがあり食事がとりづらくなり、発熱や頭痛なども生じます。放置しておくと慢性化したり、扁桃の周囲まで炎症が広がる「扁桃腺周囲炎や扁桃周囲膿瘍」に移行したりするケースもあるので、早めの受診をおすすめします。
治療法
のどを消毒し、抗生物質の内服薬や点滴を使用して治療します。扁桃炎を何度も繰り返す場合は「習慣性扁桃炎」と考えられ、扁桃腺自体を切除する手術をお勧めする場合もあります。
のどの違和感
異物感、圧迫感、腫れた感じ、ヒリヒリするなど、通常とは異なるのどの違和感については、食べ物のひっかかり(骨など)や風邪、のどの病気から胃腸や貧血などの疾患までさまざまな原因があります。のどの腫瘍の場合もあるので、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
こんな症状があれば要注意
- 喉がつかえた感じがする
- 食べ物が飲み込みにくい
- 喉が腫れた感じがする
- 喉がイガイガ、ヒリヒリする
主な病気と治療法
のどの違和感には、のどの炎症やポリープ、腫瘍などのどそのものの病気が一番に疑われますが、なかには「逆流性食道炎」や貧血などのど以外の疾患が原因となることもあります。まずは原因を特定するためにも、早めの受診をおすすめします。
のどの炎症(扁桃炎、咽頭炎など)
⇒詳しくはのどの痛み、腫れへ
治療法
消毒や内服薬を使って炎症を抑える治療を行い、喉の違和感を改善します。
のどのポリープ、腫瘍
声帯にポリープができたり、喉頭や咽頭に腫瘍ができた場合は、のどのつかえた感じや異物感、声枯れを感じることがあります。
治療法
ポリープや腫瘍の有無を確認し、組織を採取して検査をしたりその診断に応じて治療をお勧めします。声帯ポリープで軽度の場合は、ネブライザーを利用して炎症を鎮めるなどの治療を行います。
長引く咳
「咳が止まらない」「咳が長引く」といった症状も、耳鼻咽喉科で診察を行っています。
咳の症状といえば、一般的には風邪や喘息といった内科的な疾患のイメージが強くありますが、実は「アレルギー性鼻炎」や「副鼻腔炎」といった鼻の病気から起こることもあります。早めに原因を突き止め、適切な治療を行いましょう。
こんな症状があれば要注意
- 咳が長引く
- 咳がひんぱんに出る
- 咳の程度がひどい、夜間眠れない
- 呼吸するとゼイゼイする、ヒューヒューする
主な病気と治療法
咳の原因を突き止めることが第一です。まずのどの詳細な観察をし、のどの病気や「アレルギー性鼻炎」や「副鼻腔炎」など鼻の病気がないかを診断します。喘息や肺がんの肺の病気や心臓の病気、逆流性食道炎などが疑われる場合は、内科の受診をおすすめしています。
アレルギー性鼻炎
鼻の粘膜で起こるアレルギー反応が原因となって起こる鼻の病気です。くしゃみ、鼻水や鼻づまりの他に、咳が出る症状も起こることがあります。
治療法
アレルギー症状を引き起こす物質「アレルゲン」を避け、内服薬などを用いた薬物治療をメインに治療を行います。当クリニックでは「舌下免疫療法」もご利用いただけます。
⇒詳しくはアレルギー性鼻炎へ
副鼻腔炎
副鼻腔に細菌やウイルスが感染して炎症が起こる病気です。鼻水が喉に流れていく、落ちていく(後鼻漏)ことによって、咳や痰が出ます。
治療法
内服薬を使用したり、「ネブライザー」という治療機器を使って、炎症を抑えるなどの治療を行います。
⇒詳しくは副鼻腔炎へ
声がれ
声を出す働きを司る「喉頭(こうとう)」や「声帯」が何らかの影響を受けることで、声が出にくい、声がしわがれるといった症状が起こります。
原因はのどの風邪や炎症、ポリープ、腫瘍まで幅広いので、声がれが続く、声がれがひどくなっているという方は、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
こんな症状があれば要注意
- 声がかすれる
- 声がガラガラする
- 声が出しにくい
- 声に力がない
主な病気と治療法
声がれは、歌手やアナウンサーの方、学校の先生など長時間に渡って声を使う職業の方がなりやすい傾向にあります。主には声帯の炎症や声帯ポリープが多く見られますが、喫煙をする方であれば喉頭がんなどのリスクが高まります。
いずれにせよ早めに原因を見極めて、適切な治療を行うことが大切です。
声帯の炎症
声帯を酷使して傷めたり、細菌やウイルスが感染することで、声帯に炎症が起きている状態です。
治療法
消毒や内服薬、「ネブライザー」など炎症を鎮める治療機器を使って炎症を鎮める治療を行います。
声帯ポリープ
声を酷使することで声帯に血まめができ、ポリープになることが多いです。あまり声を出さずに安静にすれば自然に治ることもありますが、発声や激しい咳など無理を続けることで悪化します。
治療法
できるだけ声を使わず安静にするのが第一です。軽度の場合は内服薬や「ネブライザー」を使用して治療を行います。重度の場合は手術でポリープ切除をお勧めすることもあります。
睡眠時無呼吸症候群
「睡眠時無呼吸症候群」は、睡眠中に呼吸が止まったり、浅くなることで、昼間の眠気、だるさを始め長期に渡ると高血圧や糖尿病、心臓や脳の血管の病気などにつながる病態です。近年注目され始めた病気ですが、大人にも小児にも生じます。睡眠時無呼吸症候群は耳鼻咽喉科で診断・治療が可能です。
「家族からいびきがうるさいと言われる」「睡眠中に何度も呼吸が止まっているようだ」「日中に猛烈な眠気が襲ってくる」という方は、一度ご相談ください。
こんな症状があれば要注意
- いびきがうるさいと言われる
- 日中に眠気が襲ってくる
- 夜中に何度もトイレに起きる
- 寝汗をかく
主な病気と治療法
色々な原因で空気の通り道である上気道(鼻やのど)が狭くなりスムーズに呼吸ができなくなるといびきや無呼吸が生じ、10秒以上の無呼吸や低呼吸が一時間当たり5回以上ある場合、閉塞型睡眠時無呼吸症候群と診断されます。お子様の場合は扁桃肥大、アデノイド肥大、大人の方は肥満や鼻づまりなどが原因になることが多いです。
当クリニックでは疑わしい症状がある患者さんに対して、専用の医療機器を貸し出し、自宅で睡眠中に装着して検査していただき睡眠時無呼吸があるかどうかの検査を行っております。その結果一泊入院の精密検査(ポリソムノグラフィー)をお勧めすることもあります。
治療法
小児の場合は大きく肥大した扁桃やアデノイドの切除手術をすると著名に改善します。大人の場合は上気道狭窄の原因が明らかではない場合、ダイエットしてもらったり「CPAP(シーパップ)療法」を導入します。
CPAP療法とは、睡眠時の呼吸をサポートする治療で寝るときにこれを装着しますとCPAP装置からホースとマスクを通じて空気を鼻から気道に送ることにより、その空気圧で気道がふさがるのを防ぎます。
※一定の基準を満たせば保険適用の治療となります。